Biz/Zine Day 2018 Autumn

 

 

2018.10.30  秋葉原コンベンションホール 

デジタルディスラプションの「今」を知り、日本の「小売業のデジタル化」から新たな「顧客体験」を考える

 

13:15-14:05

AIカメラによるデジタルマーケティング 松下伸行 

株式会社トライアルホールディングス グループCTO

 

オンラインではユーザーが、商品を見つけ、比較し、カゴに入れる、カゴから出し購入をやめると行った流れがわかる。次回にはレコメンドやクーポンを送ることもできる。

一方リアル店舗では売り上げデータしか取れず、購入前のユーザーの迷いや、動きのデータを取れない。

 

<画像処理によるリサーチ>

店舗に700台のカメラを設置、客の動線、挙動、棚のどこからとるか、どこを触るのか、来店→通過→注視→接触→購入という流れのデータを取る 

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・売れない商品:人が通過しないから売れないのか、通過しているのに接触しないかで対処が変わる。

・営業の常識 2段目がゴールデンゾーン→売り上げとの相関をみると関係無い

 解析の結果、上段は迷いなく指名買い(ブランド買い)

 安いものが欲しい時は山積みされているところから商品をとる 

・客が立ち止まっている商品を確認すると、用意した商品ではなくそばのPRVTブランドの水

・イートインコーナー:机の上にあるものが、食べ物かPCかで遊んでいるのか仕事なのかわかる

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 <店舗オペレーション>

・商品補充のタイミングを確認し欠品を防ぐ

 積むことができない生鮮品は画像処理で補充

・棚売り 商品固定で欠品を画像認識

・これまで:昨日までの売り上げに基づいて明日の発注を決める

 POSデータ上に在庫があり売れてないという判断をするも

 実際は棚が不足して数がでないだけ

 売れてもフロアの従業員不足で欠品補充できず

 結果人気が無いという判断となることがある

 →カメラで欠品をチェックすることで商品を回す

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<深圳のスピード感>

深圳 スマートフォンを利用しての店内カメラの開発

すべての工程は別の会社で作る。そのため各工程で速度が遅いと他の会社に仕事を回す。メーカー内で縦割りで動く。結果汎用的なものとして開発が進む。

既存の商品をどこのメーカーだろうが構わず改造して作る。

回路図を変更しても、半日で上がってくる。

間違いや細かいことは問わない。間違っていても翌日には修正がされリカバリが早い。

日本であれば、ミスを指摘すると、正しいことを証明しだす。責任の所在を確認する。性能比較と価格で1ヶ月くらい対応がかかる。70%の完成度になるまでリスクを抑える。

中国では、100人開発すればそこから必ず1人は成功する 。失敗した人は次でリカバリという思想。

 

 14:20-15:00

デジタル・トランスフォーメーション時代に企業内で新規事業を実現する方法

<事例>

milbox UR

電気の通るインクでVR操作できるダンボール サービス開始

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Tiffany&co

街灯に模した体験装置

手を絵本に見立ててプロジェクションマッピング

店舗前に並んでいる時に情報を入力して絵本の内容を変更。

テクノロジーを体験の中に溶け込ませていくことに重きを置いた

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<日本企業内での起業>

0から起業はノウハウでていない

効果的な手法(デザイン思考・ワークショップなど)を使っても結果がでない

1 課題解決型   UBER

2 課題再定義型  OISIX 20分で2品作れる

    手抜きの罪悪感:マーケット広がらず

    自分で手間をかけていると考え直させマーケットそのものを考え直し

3   価値創造型    Airbnb

 

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1:市場規模変わらず

2:市場規模大きくなる

3:市場を独占する

 

<why  what  how>

新規事業の開発はHOWからWHYへ

宿泊の価値を再定義

「休みたい」→レッドオーシャン

「旅先の文化、人と関わりたい」→普通の家に泊まりたい→Airbnb

客に行動発言の価値を把握→価値を抽象的に捉える

 

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<競合の捉え方>

飛行機の競合

→オンラインMTG  出張を目的

クレジットカードの競合

Facebook  ステイタス誇示

 

<whatの可視化>

言語化

これだけ儲かりますということを言語化する

このサービスは良いものですということを伝えるため

プロトタイプ

ユーザーテストがしやすくなる

ユーザーの反応がわかりやすくなる

 

 

15:15-15:55

拡がるチャットボットの活用事例とチャットボットが提供する価値

NTTドコモ

<チャットボットに取り組む理由>

1生産力維持のためAIの利用

2メール、電話の利用低下 LINEの増加

 →カスタマーサポートにチャットツール導入浸透

 →気軽さから問い合わせ増加

 →オペレーターの離職率増加と応対品質のばらつき

オペレーターの代替にチャットボット採用

離職の低下と応対品質の均一化

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<利点>

QAから作成できる

利用状況がわかる 月ごと、時間ごと

対話履歴がわかる

 

<事例>

・ゴミの分別、自治体のページ

 外部の機能と連携(ゴミの捨て方を動画で教える)

・ABCクッキング 

 手元になる食材→作れる料理を提案

ラグビー 

 リアルタイムで会話を変更

 選手の名前や得点

・名古屋 東山動物園

 エリア広く動物探せない

 ガイド看板見て現在地を伝えるとライオンまでの地図が立ち上がり道順を教える

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・社内の書類フォーマット

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・位置情報ボット

 ATM  ポスト コンビニ カフェ レストラン

 観光地でユーザー位置を中心に観光ガイド代わりにボット利用

 

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近鉄奈良ガイドボット(インバウンド向け/日英中)

 ガイドブックをスマホで撮影すると 

 画像認識でそこまでのルートを案内 (日英中)

 

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16:10-16:50

音声UIを活用した顧客体験向上とビジネス機会創出

<音声UIを使ったサービス作り>

国内 様子見フェーズ 音楽、天気 デバイスが遅い 利用率10%

   1200〜1400のスキル 

米国 普及率36% キャズムは超えている 1日1回利用

   商品検索、購入(amazon)

      GUI付きで買いやすくなっている   

   生活の中で根ざして使える工夫がある

   デバイスの進化

   40000以上のスキルが普及

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<日本人の特徴>

少し気恥ずかしいという意識が働く

だが、若年層からは抵抗が少なく爆発前夜とみて良い 

70%はVUIがカバーするというレポートが出ている(海外)

GUIと統合して補完する形で進行

 VUI独自のコミュニケーションができる

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簡単にVUIの開発ができるが容易なだけに埋没する危険あり

現在はスマホのAPPストアのような状況ができている

特にUXがふわっとしているため

1カスタマージャーニーのどこに音声を活かすか 

 →効果的な使いどころを見定める

2音声で認知の限界

 →他のデバイスGUIと合わせての強みを出す

人間性キャラクター

 →ブランドサービスに合わせたキャラクター設定

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<適した機能の事例>

スターバックス

・リオーダーだけに機能をしぼる

 スタバは注文項目が多く シュガーレス カフェインレスなど細かく決める必要があり 

 VUIでの注文受けに向かない。ただし、リオーダーだけであれば非常に効果的である。

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amazon

・シャンプー買って で、以前買ったものを購入するので

 新しい商品を買ってもらうことが難しくなる

<適さない例>

・グルメ検索 

 近くの人気の店上位5店を教える

 人はうまそうかどうかで選ぶので音声の特性を踏まえていない

・不動産 

 間取り 条件を音声で説明されてもわからない

<フィードバック>

シャンプーを購入できたとしても欲しい容量で注文できたか心配

スマホのアプリにFBがくるという連携必要

テキスト、GUI含めた補完しあう体験設計が必要

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<キャラクター設計>

「よくわかりません」「webで検索します」という回答は人により感じ方が変わる。

また設定された人格の差が最大の違いになる。Alexaは言語学者を含めてパーソナリティの設計をしている。コンテキストにより丁寧になったりならなかったりの差を出すことが必要。

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<事例 マイデイズ>

喋ってコンシェルは熱烈なファンがいたが、継続利用はせず、マイデイズを新たに作成。

いろんな人に使ってもらうため 万人ウケするキャラにした。

・キャラの絵を用意した。

しゃべる相手がいた方がわかりやすい、話しやすい

調査より無形のキャラだとしゃべりにくい

・UXのポイント

GUI

キャラ

振る舞い

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<埋没しないためのUX>

ピカチュー:こどもは1weekで飽きた。

スタバは繰り返し利用する。何度使っても飽きない累積的UXを意識したサービス設計が大切

どうやったら使い続けてもらえるか累積的UXを意識してVUIを作る。

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<収益を出すには>

・パーソナライズと個別課金

・データを活用した仕組みを作る

例)ラジオオーディオアド

 配信内容は地上波と同じものを配信し、リスナー属性に合わせた広告を広告枠内に差し替えて配信

 リスナーがどういう状況で聞いているかデータが取れるのでターゲティング広告が成立する 

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<データの使い方> 

音声UIは開発も容易であらゆる領域に浸透が可能。関連デバイスとの連携も広がりがあり、ユーザーのデータもとれるという利点がある。

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しかし、そのデータには差別化ポイントはない為、顧客の実像をどうあぶり出すかという課題が残る。

音声ならではでとれるログを使いサービス化する。

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半年後にはプロジェクトの先行優位はなくなるためアジャイルで進める必要あり

イデア出し、トライ&エラーで検証 早く作る。

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10月30日の渋谷

警察、ご苦労さまです。

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